板金加工

板金加工とは、金属板を加工する方法のひとつで、金属板を、切断、曲げ、溶接などの工程を踏まえ、          製品に加工していく工法です。
主に薄い金属板を加工をする方法を総称として板金加工と呼びます(銅板2mmまで、銅板以外6mm以下)
板金加工には、金属材料の性質が関係しています。
金属材料に荷重が加わると材料は構成する原子間の距離を変え、ひずみを生みながら変形していきます。
変形にあたり金属が元に戻ろうとする力(内力)が働くので、荷重を取り除けば金属は元の状態に戻ります。
これを弾性変形と呼びます。
また金属に荷重を加え続けてあるポイント(降伏点)を越えると、金属 は元に戻れなくなります。
これを塑性変形と呼びます。
そして、さらに荷重を加え続けると堪えきれずに破断します。
板金加工では塑性変形で目的の形状を得られるように調整しながら加工する技術が重要になります。

板金加工には大きく2種類あります。

手加工板金
職人が手作業で加工するため、製造数が少なくコストが高くなります。
また、板厚も薄いものに限られます。

機械板金
プレス機やレーザー切断機などの機械を使用します。
製造業において主に用いられるのが、この機械板金です。
複雑な形状には対応が難しいというデメリットがあります。

   

加工の種類Point
曲げ加工曲げ機械(ベンダー)で圧力をかけ鋼板を曲げる加工
基本的な板金加工の為、技術力の差が大きくでる加工
タレパン加工プレス機械(タレットパンチプレス)での打ち抜き加工
コストは低いが、裏面に返りやダレが発生するので研磨が必要
レーザー加工レーザー光を照射して熱で切断する加工
複雑な加工も容易
出力を調整して刻印も可能
熱による焼けが残る場合がある
圧入加工金属同士を加圧によってつなぎ合わせる加工(機械的接合)
加工後に分離ができる(交換が必要なパーツに適している)
仕上がりがよい(見た目重視の場合に使用されることが多い)
溶接加工金属と金属をつなぐ加工(冶金的接合)
材料に応じて、熱や圧力またはその両方を加えることで部材同士を接合する
溶材を使ってつなぎ合わせることもある
絞り加工薄板に圧力をかけ、目的の形へ変形させていく加工
手加工板金では、職人の技術力の差が出る
一般的には、絞り用の金型を用意してプレス機械で加工する事が多い
圧力をかけて変形させていく為、ヨレなどが出ないよう十分な知識が必要
区分記号名称
鉄鋼SS一般構造用延鋼材
SPHC, SPHD, SPHE熱間圧延軟鋼板
SPCC, SPCD, SPCE冷間圧延鋼板
SPTE, SPTHブリキ
SGCC, SGHC溶融亜鉛めっき鋼板
SECC, SEHC電気亜鉛めっき鋼板
SUS-HP熱間圧延ステンレス板
SUS-CP冷間圧ステンレス鋼板
非鉄C2801P黄銅版(3種)
C1100Pタフピッチ銅板
A5052Pアルミニウム合金