簡易金型とは
金型は通常、樹脂成形やプレス加工、鍛造、鋳造などで製品を大量生産する際に使う道具です。
その中でも簡易金型は、簡易的な構造や低コストで作成できる小ロット生産や 試作に適した金型のことをいいます。
簡易金型のメリットとデメリット
メリット
低コストで製品を作れる(ほとんどの場合、量産金型より2~4割程度安い)
リードタイムが短い(急ぎで金型が必要な場合にも融通が利く)
簡易金型にはたくさんの種類がある(製品の用途に合わせて作成の方法や使用する材質を決めることができる)
デメリット
ショット数に限度がある(耐久性が低い金型なので、大量生産を目的とする商品の使用には向いていない)
ほとんどの場合が大型の成形部品の対応が難しい。
簡易金型の種類
種類 | Point |
---|---|
アルミ合金型 | アルミ合金がベース、制作期間が短く軽くて取り扱いが便利。 梳り出しの為、精度も高め。 アルミ合金の特性上、傷付きやすく寿命は短い。 |
電鋳金型 | 電気化学反応を利用して作られた金型。 転写性に非常に優れる。 製品のサイズに左右されない(条件を満たしている浴槽があれば大型も可能) |
樹脂製金型 | プラスチックで作った金型代用品。 最も安価で作れることが特徴。 残念ながら寸法精度は期待できない。 放熱性が悪く射出成形がしづらい。 |
ZAS型 | 亜鉛やスズなどの低融点合金を用いた金型。 ZAS材は切削性・鋳造性が良く、軟鋼に近い物理特性も持ち合わせている。 比較的安価で作ることができる。 放熱性が悪く射出成形がしづらい。 |
カセット型 | 共有モールドベースを利用し、型材をアルミ合金を使用した金型。 短納期・低コストでの成形を実現できる(現状1番普及している金型) 製品に触れる1部分をカセット型で制作し、ほかの部分を共通化しコストを低減。 機構の難しい形状のコストダウンに有効。 |
共取り型(セット取り型) | 成形1回で何種類もの製品を同時に作るという工法。 多種の部品が一度に作れるので、部品単価が下がり、金型費のコストも軽減できる。 金属で作る金型なので、精度や耐久性に優れる。 |
積層簡易金型 | レーザー加工などで切り出した金属板を積み重ねて板の厚みを利用し溶接やボルト留めで固定した金型。 深い絞り形状には不向きだが、修正は容易にできる。 主に、絞り加工や曲げ加工に用いられる。 |
弊社では、主にカセット型を採用しております。
製品の大きさによりモールドベースを選択し、型材にはアルミや鋼材を選択できます。
カセット型は、共取り(セット取り)型も対応可能です。
これにより、多様な形状、材質に対応でき、量産金型より工数やコストの削減を実現しております。
耐久数は アルミ 約3,000ショット 鋼材 約10,000ショットを目安にしてください。
対応材質は以下の表を参照願います。
種類 | 名称 |
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汎用樹脂 | ABS、PP、PMMA、PVC、PEなど |
エンプラ | PA6、PA66、POM、PC、PBT、ASAなど |
スーパーエンプラ | PPS、PEEK、LCP、PPSUなど |
その他 | 各種ガラス入り材料、エラストマー、ゴム、PLA、生分解性プラスチックなど メーカー・グレード指定、支給材での成形も可能 |